日高普著「経済学」メモ1

経済とは人間の社会生活の物的側面である。
生産手段と生活資料がある。
再生産を可能にするために、生産手段の生産と生活資料の生産が均衡をたもたなけらばならない。
単純再生産と拡張再生産では、拡張再生産の方が、生産手段の生産にしめる割合が大きくなる。
人間は孤立して自然に働きかけて生産を行うわけではない。生産関係をとり結び、生産関係をつうじて自然に働きかける。
生産関係には様々な種類があり、一つの社会に支配的な生産関係の型が、その社会の性質を決定する。
かつては、経済と政治とが一緒になっていた。経済学が科学であるためには、政治から独立する必要があり、それが商品経済である。
社会の再生産が商品経済によっておこなわれるのが、資本主義である。
商品経済を対象とする経済学は、当然、資本主義をその考察の中心とする。
一つの共同体が拡大したり、移動したりすると他の共同体と接触し、平和な交渉が始まれば、物々交換を生み出した。
やがて、共同体を豊かにするために、交換を目的とした生産が行われるようになるが、ここで交換されるものを商品と呼ぶ。
複数の共同体で多角的に交換がおこなわれるようになると、商品のうち、特に交換の用具としてもちいられるものができてくる。これが貨幣である。
やがて、商品経済は共同体内部にもはいってくる。それにより、共同体的結合が変質する。
しかし、すぐに共同体が解体されるわけではなく、農村共同体が資本主義によって解体されるまで、共同体的結合は存続する。