ガウス雑音がある通信路の通信路容量
ガウス雑音がある通信路の通信路容量
を証明します。以下は、甘利俊一著「情報理論」に書いてあることをまとめたものです。
証明のポイントは2つです。
加法的雑音があるとき、通信路容量の式が
となることと、
平均電力が与えられたときの最大エントロピーが
となることです。
それでは、証明してみます。
標本化定理より、最大周波数の送信信号は
と表せます。
は、標本化関数で直交完全系をなします。但し、ノルムの2乗はです。
はを成分とするベクトルで表せます。このベクトルの次元はです。
受信信号も同様にで表し、雑音信号も同様にで表します。
なので、
となります。
通信路容量は
です。ここで
と書けます。加法的雑音の場合は雑音の確率分布に等しいことを使いました。
よって、
となります。
受信信号の電力は
送信信号と雑音信号が独立であることを使いました。
送信信号の平均電力を
とし、雑音信号の平均電力を
とすると、受信信号の平均電力は
となります。
ここで、平均電力
が与えられているときを最大化するを求めます。
ラグランジュの未定乗数、を導入した関数を考えます。
としたときとなるは
より、
すなわち
となります。
このときエントロピーは
となります。
よって、通信路容量は
となります。雑音がガウス雑音のとき、雑音信号の確率分布は
なので、
となり、
と示せました。