生物と無生物のあいだ

特徴をもたないもの。役に立たないもの。意味のないもの。
こういったものは身の回りにたくさんある。しかし、本当にそれらは、特徴のないもの、役に立たないもの、意味のないもの、なのだろうか。


時間の概念を忘れてものごとを考えることが多い。なぜ時間の概念を忘れてしまうのか。時間は目に見えない。時間は色彩を持たない。


僕がこの本から学んだことを式に表してみよう。それは、以下のようになる。

無特徴+無特徴=特徴
無力+無力=力
無意味+無意味=意味


肺炎双球菌は肺炎の病原体であり、強い病原性をもつS型と、病原性をもたないR型がある。死んでいるS型菌と生きているR型菌を混ぜて実験動物に注射すると、肺炎が起こり、動物の体内からは、生きているS型菌が発見される。

あるタンパク質は存在しなくても生きていける。ところがそのタンパク質を改変し、不完全にした上で動物に導入すると動物に害を及ぼす。これをドミナント・ネガティブ現象と呼ぶ。


僕は、生命とは上の式のような働きが強く存在するシステムなのではないかと感じた。